危機脱出への考察

投稿者: | 2016年2月13日

2月に入っても世界のコモディティ、株式市場、債券市場、どこも落ち着く気配がありません。1月末にECBと日銀が金融政策の予告と実行をしましたが、まさに焼け石に水です。各問題について考察して、今後のマーケットの行く末を考えてみたいと思います。
 

1.中国

景気減速懸念から株価は安値更新を続けています。春節で本土のマーケットは15日まで開きませんが、この一週間で世界の風景が変わってしまっています。春節中に何か政策発表がある可能性も残っていますが、有効な手を打てるかは疑問です。
 
キャピタルフライトに歯止めがかからないため、これ以上の利下げは難しい状況です。マーケットが期待している政策は数十兆円規模の財政出動だと言えます。
 
春節が明けたらCICの運用成績はズタボロになっているわけですから、人民にそのことに気付かれたら暴動が起こりかねません。
 
2月末のG20で何かしらの協調政策が打たれると思われますが、事前に何か政策を打ってくることを期待したいところです。
 
 

2.米国

 
2月11日のFRB議長証言でイエレン議長が気を利かせた発言をしたことが、マーケットの混乱を助長しました。
 
米国経済は強いから利上げの方針は変えないけど、中国をはじめとする海外情勢次第ではマイナス金利もありえる、という要するに何が起こるかわからないから、何をするかもわかりませんと言っているようなものです。この発言にマーケットはドル売りで反応しました。円も115円で踏みとどまりかけていましたが、110円にワンタッチする急落です。
 
元々、シェール関連企業の倒産で12月にサードアベニューアセットマネジメントが清算されるなど、サウジをはじめとするOPEC諸国との身の削りあいが限界に近づいていました。
そこへチェサピークの債務整理が話題になり、ついに金融機関へ波及したか?という不安の中、迷言を吐いてしまったのでマーケットはすっかり弱気です。
 
現実的にハイイールド債券のデフォルトは続くと思われますが、チェサピークは2017年くらいまで持ちこたえることが見込まれています。気を付けたいのは、シェールガス企業が行っていた埋蔵量評価での資金調達に関するスキャンダルでしょうか?
 
JPモルガンは決算発表で石油・天然ガス業界に関係する貸倒引当金を14億ドル程度しか積んでいません。これは価値の算定と担保に自信があるからなのですが、そもそもその価値算定でだまされている可能性もあるわけです。
 
拙速にシェール開発へ飛びついた日本企業は、決算で減損処理を行っています。本国の投資銀行がだまされていないとは限りません。
 
米国は決算で損失を公表するのが早いので、さっさとハイイールド債券の損失をオープンにして悪材料を出し尽くしてほしい気もします。
 
円高は気になりますが、シェールガス開発企業の処理で石油メジャーが漁夫の利を得ることを見込んでポジションを仕込みたいところです。
 
 

3.ユーロ圏

2月10日にCoCo債券の利払い不履行のうわさで、ドイツバンクの信用不安が話題となり、8%ほどの株価急落を起こしました。同銀行はVW問題に対しても、政府の要請で1兆円ほどの無条件融資を行うなど、収益性を無視した投資や融資を大量に行っています。
 
これはドイツのお国柄の問題で、政府が借金するのではなく、銀行に借金をさせる体制をとっているためです。日本では国債を発行して政府が請け負っている借金を、銀行にさせているわけです。よって、ドイツ銀行が不渡りを出す可能性は限りなく低いと言えます。CoCo債に関しても自己引き受けをすれば何の問題もありません。
 
EU内でEU債券の発行などが決まれば、ドイツ銀行からEUに付け替えるでしょう。問題はECBがマイナス金利を採用しているので買い手がつくかということです。
 
ここら辺は議論の最中だと思われるので、こぼれてくるニュースをこまめにチェックして、話の方向性を押さえておきたいところです。
 

4.日本

日銀は1月のマーケット急落に対し、意表を突いたマイナス金利導入を行いました。国内的には好感されましたが、マイナス金利を先に導入していたユーロ圏で信用不安が起こってしまったため、評価は反転したように思えます。マイナス金利を導入すれば確実に銀行の収益性は蝕まれますので、無条件で売られるでしょう。これは年度末決算が発表される4,5月くらいまで後を引きそうです。
 
ユーロ圏や北欧の銀行も、収益源を求めて銀行口座の資金の出し入れに手数料を導入するなどしています。有効な収益源がなく、一般市民の銀行離れを起こさせてしまえば、政策としては失敗になります。残念ながら、これまでのところ金融緩和の一手としては悪手と言える状態です。
 
国内的には金融緩和で景気浮揚は限界があると考えられており、政府の経済政策に注目が集まります。また、米国の景気が持ちこたえてくれれば、輸出企業の業績は想定ほど落ち込まずに済むので株価が戻ることも期待できそうです。今の決算発表がひと段落したら、選挙と消費税の話題になると考えられるので、事前にニュースを注視する必要がありそうです。

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危機脱出への考察」への1件のフィードバック

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