イギリス EUに加盟しても通貨は別の外交上手?

投稿者: | 2016年4月17日

産業革命発祥の地で、現在でも世界の金融市場をリードする国ですが、最近はスコットランドの独立問題やEU離脱の是非を問う国民投票など国内が不安定化しています。
 
また、日本では誤解されている部分もありますが、英国は立憲君主制という政治制度を敷いており、王族が国のトップです。明治政府が英国をお手本としたのも天皇をトップとした民主的な国家制度を作るために都合がよかったからでした。
 
経済規模は日本より小さくとも、世界の政治経済に大きな影響力を持つ英国の実態を知っておくことは、今後の政治経済を占ううえで重要でしょう。
 
*グラフやデータは財務省世界のネタ帳を参照

 

1.人口ピラミッド

人口は6500万人、首都はロンドン約(800万人)で世界の金融センターとして強固なポジションを維持している。人口ピラミッドも男女比、年齢構成共にバランスがとれた形となっており人口の推移も2100年まで順調な増加傾向をたどるとみられている。
 
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0415-England-population合計特殊出生率は1.9台と先進国の中では高水準を維持している。出産育児の制度面の支援が充実している上に、出生率の高い移民の増加が 寄与している。

しかし、人口増加に必要な2.07へは届いておらず、移民によって将来の人口構成が左右される懸念も残っている。

 
労働人口については、人口6,500万人に対し、就業者数が3,113万人となっており労働参加率は48%程度とやや低い。しかし、人口の増加傾向が続く限り安定した経済成長が期待できそうだ。失業率もリーマンショック後は8%を超えたが、近年は5%程度と最低水準に近付いている。
 
当面、安定した経済成長が見込める英国だが、他の先進国と同様に出生率の低下が問題となっており、潜在労働力は今後数十年のうちに成長が止まると見込まれている。
 
現在の経済構造は金融が中心となっており、製造業の振興などによる国内産業の活性化により労働参加率の増加を検討する必要もありそうだ。
 

2.財政

名目GDPは2兆9,500億ドルで世界5位、歳入は対GDP比で約35%となっている。歳出は対GDP比で41%、財政収支は同-5.67%とやや大きめの歳出が続いている。利払いを除いた基礎的財政収支は-3.81%となっており、恒常的なキャッシュアウトが続いている。
 
政府債務残高は対GDP比で80%を超えており、リーマンショック後50%から大きく増加したが、ようやく伸び率が収まりつつあるようだ。この伸びは対外投資を負債で行ったことを示しているが、これが伸びないということは貸出先がなくなったともいえる。
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また、債務の増加に伴って外貨準備高も3倍近くに伸びている。しかし、金の外貨準備比率は16%程度とほかの欧米各国に比べ低くなっている。これは中央銀行のイングランド銀行(BOE)が、資産負債を両建てで外貨の運用を行っており、金融市場を開発するプレーヤーとして積極的な運用を行っていることによる。
0416-england-forign-currencey-stock 

3.主要産業構造

GDP 324兆円 (2兆9,500億ドル, 110円)
   
データは外務省、税関ベース(2013年) 
   
通関貿易収支(2013年, 188円/ポンド)   
 
輸出  305億ポンド(5兆7,340億円)  
輸入  413億ポンド(7兆7,644億円)  
   
貿易比率(貿易額/GDP)    4.17%
 
食料自給率(穀物ベース)  101%(2011年)
 
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GDPのうち貿易額が占める比率はわずか4%となっており極めて低い。また、食料自給率も100%を超えており、貿易に頼らずに自国民を養える体制が出来上がっているといえる。
 
特に穀物ベースの自給率は2回の世界大戦後から、小麦を中心に順調に回復している。周辺国への輸出もできる小麦の生産高が高いことは大きな強みといえる。
 
貿易相手国を見るとEUに加盟しているため、ドイツとオランダが上位3か国に入っており、全体でも50%以上を占めている。一方、輸出はアメリカが一位となっており、経済と安全保障の両面で両国の蜜月ぶりがうかがえる。
 
品目別では資源と自動車関連が上位を占めている。工業国としては珍しく産金国であり、輸出品目でも3位以内を占めている。また、同国は北海油田を有しているため輸出品目の2位につけている。これらに加え、火力発電に使う石炭の埋蔵量が200年を超えるなど、国土は小さいがふんだんな資源を備えている。
 

4.将来展望

人口動態では移民に頼る部分はあるものの、先進国の中では安定した人口増加傾向にある。労働参加率がやや低い点を改善していけば、経済的な発展は続けられそうだ。
 
産業面では中央銀行が金融市場のフロントエンドのプレイヤーを演じるなど金融立国政策を強力に推し進めている。知識集約型産業が中心になるので、質の高い労働力を育てる、または招き入れられるかが同国の今後を大きく左右しそうだ。
 
一方で、歴史的にもイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドが連合してて来ている王国であるため、各地域の権利意識の高まりによる内部分裂の恐れを常に抱えている。
 
内部分裂に対しては20世紀までスコットランドのテロなど暴力が目立っていたが、近年は2014年のスコットランド独立住民投票が行われるなど、民主的な手段が主流になりつつある。
 
2016年6月23日にEU離脱の是非を問う国民投票が行われるが、こちらも賛否が分かれており予断は許さない。もし離脱した場合、英国の金融立国としてのプレゼンスが脅かされるだけでなくEU瓦解のきっかけになる可能性もあり、世界中が注目している。
 
EU離脱を問う国民投票で離脱派が勝利し、Brexitが実現しつつある。世界のマーケットは動揺し、かつてない不確実性を同国が作っている。 ⇒ Brexitのスケジュールと相場対応
 
 

5.投資方法

金融先進国であり、かつての植民地政策で世界中に拠点を有していることもあり、各国の主要株式市場に同国の企業が上場している。ETFも多く用意されており米国と並び、最も投資しやすい国の一つである。
 
マネックス証券
 手数料が安く、米国、中国株の取扱量が豊富で4500銘柄も取引できる。
 
楽天証券
 米国、中国、シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア株など1900銘柄を取引出来る。
 
SBI証券
 米国株、中国株、韓国株、ロシア株、ベトナム株、インドネシア株、シンガポール株、マレーシア株、及びタイ株を、約3100銘柄取引できる。
 
IG証券
 CFDで世界No.1の会社。商品先物(金、原油、CRBなど)が豊富。 

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