アコーディア・ゴルフ(2131)買収 徒然

投稿者: | 2016年7月17日

アコーディア・ゴルフ(2131)の買収について、追加情報をまとめてみました。

先日のリークはどこか不自然なところもあるので、急遽取りやめの可能性もありますが、今後の買収案件の参考にもなるので整理しておきます。

 

まず買収をする側のMBKはアジア資本のファンドで、最近ではコメダ珈琲(3543)を480億円で買収し、800億円でIPOしたことで有名です。

このタイミングで買収を仕掛けた理由ははっきりしませんが、理由の一つとして長期負債の借り換え期限がありそうです。

今年度の「1年以内に返済予定の長期借入金」が約396億円となっています。

営業成績は良いので、これが問題だとは言いにくいのですが、負債の借り換えで銀行団と折り合いがつかなければ流動資産の現金化をしても賄えません。

ここをMBKは突いてきたのではないでしょうか?

次に、MBKは株式を100%買い取るとのことですが、主な障害を上げてみます。

 

1.10%ルール

発行株式数を100%買い取り、上場廃止するとのことですが、経営状態が悪いわけではないアコーディア株をすべて買い集めるのは難しいと考えられます。

これに対し90%以上を買い集めると、平成27年5月に新設された「特別支配株主による株式売渡請求制度」により、残りの株主から強制買い取りができるようになったようです。従来は株主総会で承認を取る必要がありましたが、その手間がなくなります。

これにより、東証一部上場廃止基準の「流通株式比率5%」もまとめて、解消できることになります。

 

2.自己株式

アコーディア・ゴルフは自己株式を1423.0万株保有しています(第37期 有価証券報告書より)。これは発行株式数(8473.9万株)の約16.8%になります。この時点で、100%買収には同社経営陣の同意が必要になります。

先日の記事に書いたように、同社経営陣はこの買収提案について討議しているようなので、過去にいろいろあったようですが、合意は内容次第でしょう。

同社はROEが10%を超える一方、経営状態がよくなったゴルフ場を売却して利益を捻出し、配当性向を90%に設定しているため資本の積み上げができていません。

ここら辺を改善して、資本を積み上げられるような経営方針を出せれば、オーナーをMBKにする可能性も出てくるかもしれません。

 

3.浮動株

会社四季報によると浮動株は31.4%となっています。2014年に自社株買いを行った時のTOB価格が1,400円だったので、この価格以上を提示しないと浮動株は集まらなそうです。

少なくとも浮動株の21.5%を買い取らないと、強制買い取り権も取得できないので、経営陣を説得できても優待権目当ての個人投資家(ゴルフプレーヤー)が譲らない可能性も残ります。

こう考えると1,400円が最低ラインかもしれません。

 

最後に、最も興味のある買収価格についてです。算定の仕方は様々ですが買収総額を1600億円として、考え方を上げてみます。

1.1600億円をすべて株式の買い取りに回すと1,888円

こうなると買収後のMBKはアコーディア案件で1700億円(借り入れ1,100億円、アコーディア負債600億円)を抱えることになります。

アコーディアの資産は1500億円程度なので、MBKが買収後の売却を目的としていることを考えれば、ありえない金額です。

この価格帯になるには、PGM(平和)が国内ゴルフ場の独占的な所有権を狙って対抗してくるケースが考えられます。

アコーディアは年間135億円のフリーキャッシュフローを生んでおり、規模の拡大による利益率の改善を達成できる見込みがあれば提示不可能な額ではなさそうです。

PGMの親会社である平和(6412)は、パチンコメーカーとしてキャッシュが潤沢なので、経営方針ができていれば資金面でも可能でしょう。

2.株式のみの評価を行うと1,400円のライン

まず、買収資金1600億円からアコーディアの有利子負債600億円を引くと約1000億円になります。次に、発行済み株式数の8473.9万株から自己株1423万株を引くと7050.9万株です。これらを単純計算すると約1,400円になります。

この価格は2014年のTOB価格で提示されていたので、当時と全く同じ価値ということになります。

赤字経営でもないのにプレミアなしの買収は考えにくいですが、負債の借り換えや、利益成長がなくなっている点を考えると経営陣が受け入れる可能性はあるかもしれません。

村上ファンドのレノが説得を続けているようなので、勝負ラインと言えそうです。あとは浮動株のホルダーがどれだけ受け入れるかにかかってくるでしょう。

3.先週の終値1,200円

これは1600億円から負債600億円を引いて、発行株式数で割った時と同じ価格です。先週のマーケットは、スタートラインとしてこの価格を設定したようです。

これまでの算段を振り返っても、この価格はアコーディアに何か落ち度が発見されない限り、成立しなさそうです。

意地悪く考えれば、銀行団が396億円の借り換え条件にTOBを受け入れるように迫るなども考えられますが、これはアコーディアに公開されていない問題がある場合に限ると思います。

よって、買収成立を前提とすればこの価格以上になるでしょう。

 

以上、ざっくりした見積もりをまとめてみました。来週のマーケットで動きがあるか楽しみです。

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アコーディア・ゴルフ(2131)買収 徒然」への2件のフィードバック

  1. ダッファー

    降ってわいたようなMBKによる買収のリークは、ご指摘のように不自然なものでした。

    果たして、買収取り止めとなりましたが、10%程度の値上がりはむしろ当然のことで、それを理由に買収を取り止めるというのも、不自然な話です。

    真相が明らかになることはないかも知れませんが、人為的な操作があったような気がしてなりません。

    返信
    1. Globalmacro-Yuji 投稿作成者

      おっしゃるとおり、わざとリークしたと思います。
      また、この話は終わっていないとも思います。

      借入金の件は落ち着いたようですが、
      資本勘定で見れば簿外のSPCを狙っていることは間違いないと思います。

      ビジネス面では、日中韓をまとめたリゾート型ゴルフクラブの構想もあるようです。
      中国プレーヤーをターゲットにした需要喚起を考えれば、結構無理な金額でM&Aを
      仕掛けてくる可能性もあると思います。

      1~2年放置できる資金があるなら、今から保有するのも悪くないかもしれませんね。

      返信

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