ドイツの輸出と財政規律のジレンマ

投稿者: | 2015年8月31日

中国の景気減速でもっとも影響を受ける国のひとつにドイツが上げられます。

ドイツは財政規律が大変厳しいため、日米のように国債を発行し、国内の設備投資を行うことなしに、経済成長を進めてきました。そのため、GDPに対する輸出の比率が約37%と大きくなっています。(日本は約10%)

これは、国内のインフラ設備投資では景気下支え効果が弱く、海外の景気減速で過剰設備を抱えやすいと言う、設備投資のパラドクスのような状況に陥っていることを示します。

輸出や海外進出で最も成長してきた相手が中国です。現地工場を建て利益を上げる構造を作ってきました。しかし、中国景気が悪化すれば、国外不良資産が大量に発生することを意味します。

国外が不景気になったら国内投資をすればよいと考えられますが、バランスシートの調整が難しくなります。なぜなら、海外の膨大な資産の生産性が落ちれば、その資産の処理や調整が必要になり、国内の設備投資に振り向ける資本が捻出しにくくなります。

これは韓国が近年陥ってきたことと似ています。韓国は貿易量の減少に対して、政府が国内の大型開発案件を立ち上げ景気の底上げを狙いました。しかし結果として、GDP比率の低い国内インフラ企業の景気を多少よくしただけで、国家財政を担う10大財閥の稼ぎ頭の業績は急激に悪化したままでした。
貿易不振を小さい国内投資で賄おうとした結果、急速な経済活動の減速に見舞われる形になっています。

ドイツがこれと同じ道をたどるか、まだ分かりません。しかし、ユーロの金融緩和がうまく効いてきたとしても、中国の減速を補うほどの成長が起こる可能性は低く、厳しい状態に陥りそうです。

ドイツの景況感が悪化すれば、ユーロ圏全体の景気が悪くなり、米国に頼るしかなくなる可能性も出てきます。ウクライナのように東欧の政局不安もまだ落ち着く気配はないので、新たな政治・経済不安が勃発するかもしれません。

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