日銀による総括と指値オペ

投稿者: | 2016年9月22日

9月21日に日本銀行が政策を発表しました。

主な変更内容は以下の2つです。

1.ETFの買い入れ対象を3指数の時価総額比例型からTOPIX比率を上昇
2.長短金率操作付き量的・質的金融緩和

1.ETFの買い入れ方針変更

表を見ると一目でわかりますが、ETF買い入れ5.7兆円/年の比率を変更し、2.7兆円をTOPIXに固定、残りの2.7兆円を日経平均、TOPIX、JPX日経400に時価総額比例で分配するようです。

単純に東証一部全体を買う比率を上げるということですね。

0922-etf-rule-change

ETF買い入れの方針変更(日銀資料より)

これを受けて日経平均の寄与率が高い銘柄が売られ、東証一部の割安放置銘柄が買われる構図になりそうです。

トレーディングとしては、値嵩株のショートと割安株のロングでポジションを取りたいと思います。

ちなみに、21日にも日銀は745億円の買い入れを実施しています。

これでTOPIXも値幅調整が来ない指数になったということですね。

2.量的緩和から金利操作への回帰

今回の発表で、これまでの金融緩和を総括して金利操作によるマクロ経済の制御に回帰しました。

少々長くなりますが、日銀の総括を抜粋して彼らのロジックを追うことで、今後の資金の流れを考える参考にしたいと思います。

金融緩和の総括では、4つのケースをシミュレーションし「物価安定の目標」を設定して何もしなかったら-0.5%のデフレという結果でした。

2年で2%が実現していない理由としては、物価目標と名目金利の引き下げで1.5%まで上がったものの

2014年の原油価格の下落と消費税率引き上げによる需要の減退

2015年の新興国の減速とそれに伴う金融市場の不安定化

を上げており、図も掲載しています。

0921-price-index-trend

これ以降は日本の物価の決まり方から、各政策の効果を考察し新規政策の内容を紹介しています。

まず、日本の物価の決まり方についての特徴は、

日本の賃金交渉が前年度の物価上昇率をベースとするため、過去の物価にひきづられやすいとのことです。

このためフォワードルッキングな物価の形成力が弱いと指摘しています。

次にマイナス金利について総括しています。

マイナス金利は予想物価上昇率が思うように上がらないため、名目金利を引き下げる目的で導入しました。

日銀当座預金の一部に-0.1%の金利を付け、長期国債の買い入れを行うことで、特に長期の金利を押し下げています。

同政策は長短貸付、CP、社債に対し金利の低下という形で十分な効果を上げています。

一方、貸出金利の低下と長期金利の低下は、銀行を中心とした金融機関の収益を圧迫します。

特に保険や年金などの運用利回り低下は、直近のマクロ経済への影響が小さいものの、将来の不安というマインド面を通じて経済活動に影響します。

以上の結果の分析と、経済や物価に効果を与える金利の年限は2-5年の期間になることを勘案し、新しい枠組みを決定しました。

それが長短金率操作付き量的・質的金融緩和です。

簡単にいうと、これまでは短期金利を操作していましたが、長期金利も操作対象になります。

まずフォワードルッキングな期待形成のため、通貨供給量(マネタリーベース)を経済規模対比で100%越まで続けることを宣言しました。

ちなみに欧米では20%程度です。

続いて金利操作の方法ですが、国債買い入れに「指値オペ」を導入するようです。

長短国債に指値オペをすることでイールドカーブの制御をするようです。

グラフにあるように短期政策金利を-0.1%に設定し、10年債金利を0%に固定することで、長短金利差を0.1%以上に維持することをスタートラインに設定しているようです。

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長短金利操作によるイールドカーブのイメージ

・指値オペについて

普通に考えれば日銀が国債を安く買う(金利が高い)と言っても、国債を高く(金利が低い)購入してしまった人は損失が発生するので売りません。

これに対し日銀は発行総額の1/3以上の国債を保有しているため、市場で売ってしまえば金利を上げられます。

国債保有を減らしながら、イールドカーブをコントロールして、頃合いを見て指値オペをすればよいということになります。

売買の基本として高く買ってくれるところにしか売り手は来ないので、始めの値下げは日銀が操作することになるようです。

もし金利が上がりすぎるようなら、引き続き国債買い入れによる資金供給オペをすることになります。

後は2-5年の資金需要が強いので、短期金利のマイナス幅を広げてあげれば、マクロ経済での貸出金利低下と銀行の収益を決める長短金利差を同時に確保できます。

よって、次回以降の金融政策ではマイナス金利の操作に注目が集まることになりそうです。

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