五中全会で大きな動きはありませんでした

投稿者: | 2015年11月3日

10月の主要イベントのひとつとして、マーケットが注目していた五中全会(党中央委員会第5回全体会議)が終わりました。一人っ子政策の廃止という大きなニュースがありましたが、目先の経済状況にテコ入れするような政策発表はなかったようです。

 

1.経済政策

向こう5年間は中高速の経済成長を目指すそうです。中高速? 5-7%くらいでしょうか?
経済成長のエンジンは固定資産や設備などへの投資から、消費の割合を増やす方向で進めるようです。信頼性に疑問が呈されているGDP成長率でも、製造業が5%程度に落ちた代わりに、消費が10%を越えています。中国のGDPにおける消費の比率は30%程度と小さいため、全体に与えるインパクトは、まだ小さいですが、比率を変えて行きたいと言うことでしょう。

2.一人っ子政策の終わり

今回話題になったのは「一人っ子政策の廃止」です。

1970年代から中国では人口が爆発的に増えました。当時、鎖国に近い状態だった中国では食料危機がおき、多くの餓死者を出すことになりました。これに対して出された政策が一人っ子政策です。罰則の部分改定を繰り返しながら、ついに廃止が決定したとの事です。

0922 population balance chinaしかし、これで中国が自然な人口動態に沿って国づくりをするというわけではありません。今後も、子供は2人までと制限されています。人口コントロールは続くのです。

一方、この政策が機能するかという点で、多くの疑問が残ります。

かつての人口爆発は、労働集約型の農業中心の産業構造で起こりました。農家は、低コストで大量の食料を作るために人手が必要です。そのため、農家は大家族化が進んでいきます。農業の生産性が高ければ、家族が増えても食料は行き渡りますが、人海戦術で行うような生産性の低い農業では、土壌が枯れる事もあり、人口増加分を賄えません。その結果、食糧難が発生しました。この対策として一人っ子政策が取られたのですが、今は中国の国内事情が異なります。

1990年以降の中国の経済成長は工業化によって進んできました。工業化された社会では、衣食住をはじめ生活のあらゆる面が効率化され、生産性が高くなります。その結果、生活が豊かになるのですが、貧しかったころのように人手を多く必要とはしなくなります。むしろ、従業員の給料をいかに少なくして収益を上げるかと言う点に注力が置かれます。

生活スタイルも社会インフラや年金、保険が整備される代わりに一人当りの出費が大きくなります。このため、大家族化が難しくなり、核家族化が進みます。

実際、中国の都市戸籍の人たちは今回の一人っ子政策廃止に対して冷めた反応のようです。貧富の差の激しい中国では、一人当りの教育費が高くなりますので、2人も子供がいても面倒を見切れないというのが実情のようです。

この分では、農村部の人口だけが増えることになりかねません。1990年代からの成功モデルを続けるなら、農村からの出稼ぎ労働者で生産性を稼ぐと言うことになりますが、すぐに給料を上げることになるので成りたたなそうです。教育の面でも、農村部のほうが不利でしょうから、戸籍差別が進むことにもなり、その結果起こることは中国政府が最も恐れる暴動でしょう。

今回の一人っ子政策廃止を期に、以下のような問題を解決していく必要がありそうです。

・農村部からの人口供給システムを続けるか?
・社会保障面で、農村と都市の格差をなくしていけるか?
・農業の生産性と付加価値向上。
・工業の高付加価値化

中国特有の問題も多いですが、先進国がかつてきた道を、中国も進み始めたようです。

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