産油国の悲鳴

投稿者: | 2015年11月5日

2014年まで100ドル/バレルを越す原油高で、金持ちの筆頭だった中東産油国ですが、原油価格が半分になった今、国家財政が火の車のようです。

原油高の中、社会保障を充実させた結果、経常収支が均衡するための原油価格が70ドル近くまで上がっているようです。公務員の月給が120万円とか言う話もあるので、当たり前ですね。

国内の収支均衡は正直たいした問題ではありません。自国民は原油で稼いでいることは十分承知しているので、貯蓄もあるでしょう。

しかし、問題は出稼ぎ労働者の確保です。中東産油国は人口が少ないこと、製造業が発達していないことがあり、公共インフラの整備に外国人労働者を多く雇っています。もし彼らが去ってしまえば、まだ整備されていない社会インフラの整備が滞り、国内の不満がたまることになります。

1105-oil-stockせっかくお金があっても、労働力がなければ欲しいものは手に入らないのです。そんな中東産油国の現状を簡単に抜粋しました。(グラフの元ブログ

 

サウジアラビア

今年の財政赤字は国内総生産(GDP)の20%に膨れ上がるとの予測もあります。

 

イラン

健全財政のために望む原油価格は72ドル。IMFは、同国はこれ以下の価格水準でも10年以下ならしのげるとも分析しています。

 

クウェート

昔イラクに侵略されたペルシャ湾の一番奥にある国です。原油埋蔵量は国土に対してきわめて大きいのですが、現在の設備では採掘コストがやや高いようです。IMFによると財政収支均衡には49ドル、資金枯渇まで原油価格が50ドル/バレルだと25年くらいとの試算です。

 

カタール

産油国ですが、埋蔵量が少ないため設備の更新も盛んではないようです。原油産業に替わる産業を育成中で、日本からの技術移転も盛んです。IMFによると財政収支均衡には56ドル、資金枯渇まで原油価格が50ドル/バレルだと25年くらいとの試算です。

 

UAE(アラブ首長国連邦)

あまりなじみのない国ですが、主要産油国のひとつです。採掘コストが比較的高く、IMFによると財政収支均衡には73ドル、資金枯渇まで原油価格が50ドル/バレルで30年くらいとの試算です。

 

中東産油国の中でも、クウェート、カタールやアラブ首長国連邦(UAE)は乗り切れると予想されています。高水準の原油価格に依拠していない国家予算づくりが1つの要因だそうです。

原油価格は大きく変動するので20-30年も同じと言うことはありませんが、これから数年間は難しい国家運営を迫られそうです。OPECのリーダー格であるサウジアラビアですら8年ぶりの国債発行で約6,600億円を調達しているくらいですから、その厳しさが伺えます。

————————————————————————————————————————————-

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

世界経済についてマネーフローの視点で解説し、ポジショントークで儲かる方法を探していきます。

情報を共有するため、フォローやシェア、ブックマークなど、ご協力いただけるとうれしいです。

にほんブログ村 経済ブログ 世界経済へ にほんブログ村 株ブログ 外国株へ


産油国の悲鳴」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: 原油下落とハイイールド債券 | Global Macro~世界のマネーフローで儲ける

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です