トランプ大統領の100日計画

投稿者: | 2016年11月12日

トランプ大統領の当選から二日たち、マーケットも落ち着いてきました。

未だに米国メディアに影響を受けた偏見で話をするコメンテーターが多いですが、悲観論を感情的にあおってもいいことはありません。

現実的な対応は、トランプ大統領がペンシルベニア州ゲティスバーグで行った講演の内容から、就任100日の計画で何をどこから取り組むかに、目星をつけることだと思います。

政策は組閣人事次第というところもあるので、まったく異なる政策を実施する可能性もありますが、少なくともトランプ大統領が考えていた政策になります。

1.規制産業の撤廃

シェールオイル、天然ガスの規制緩和(輸出解禁)。ジェネリックの承認期間短縮など。経済に直接的な影響を与える政策なので、強力に推し進めるでしょう。

 

2.減税

経済成長率を3.5%-4%にして、法人税減税(35%-15%)すると公約しています。1986年のレーガン政権以来の抜本改革となり、所得税も33%以下にするようです。

マネーフローの対策として還流資金の減税も行うでしょう。米国企業は2兆ドル(210兆円)を海外にためているので、大きな税収増の効果が見込めます。資金移動の税率も15%から10%へ減らすことで後押しするようです。

2005年に時限立法で還流資金の減税を実施したときは、3000億ドルが還流し、ドル高が進みました(120-125円)。

しかしムーディーズによると、これらの政策では2019年に景気後退へ向かい、10年債金利は18年に8%になると試算しています。

 

3.犯罪者で非合法の移民200万人以上の国外退去の手続き開始

非合法移民200万人に対する国外退去処分は、オバマ大統領の大統領令で救済がはいりました。しかし、テキサスの裁判所で判決が止まっており、最高裁でも決着がついていません。南西部の状況は移民政策の整理に好都合ですが、過激なことをやりすぎると西海岸が不安定化する可能性があります。

選挙後のデモで、カリフォルニア州を独立させるなどの意見がありました。中国系移民が多く入っているので、治安や政情の不安定化には警戒が必要でしょう。

 

4.犯罪者の帰還を拒否する国に対しては、査証なし渡航を廃止

犯罪者の引き渡し条約は、2国間の問題になります。日本は在日米軍問題などで話題になっていますが、目立った動きは出なさそうです。

 

5.オバマ大統領による大統領令をすべて撤廃

オバマケアの廃止による財政の捻出などが目的になりそうです。議会は共和党だったので、今回の選挙でねじれが解消されると、いくつかの法案は自動的に成立することになりそうです。

大統領令関係は国内案件が多く、日本に直接的な影響はなさそうですが、移民制度改革などはニュースをにぎわすかもしれません。

 

6.連邦議会の議員任期を制限

国内問題なので、日本への影響は話題にはならないでしょう。

 

7.国連の気候変動に関する計画への資金拠出を停止

パリ協定脱退となれば、日本にとってはラッキーかもしれません。米国としては、浮いた資金で国内インフラの修理を賄うため、小さな政府を維持したまま資金捻出ができます。

さらに、ほかの規制緩和(シェール輸出など)とうまく絡めれば、経済効果は高くなりそうです。ちなみに、共和党はブッシュのころからオイル利権が強いので、エコ関連は弱いです。

 

8.中国を為替操作国と認定

これは政治的な駆け引きに使われるので、拙速な実施はしないでしょう。輸入関税設定との間で駆け引きが入りそうです。ただし、人民元レートに直接影響するので、日本のマーケットでも話題になりそうです。

 

9.NAFTAの再交渉

同協定が米国内の雇用を海外に流出する原因と指摘しているので、見直し交渉はやりそうです。日本は自動車メーカーがメキシコから輸出の形をとっているので不安材料になります。

 

10.イランとの核合意の破棄

中東情勢の制御不能な変化はテロのリスクを上げるので、思い切った変化は起こしにくいのではないでしょうか。さらにサウジとも疎遠になったら、中東での米国のプレゼンスは極端に落ちることになります。サウジアラムコのIPOもあるので2018年以降に話題として持ち上がりそうです。

 

11.最高裁判事の指名

今回の選挙で共和党が勝った、一番の成果物になるかもしれません。保守派を入れるか、場合によっては都合の良い人事で国政にも影響を与えることができそうです。

 

12.銃規制

オバマ政策の免許制は即撤廃となるでしょう。銃関連を産業的に成長させられるかに注目です。材料や部品などで外国企業の受け入れをすれば、日本も恩恵があるかもしれません。

 

以上リストアップしてみると、減税、資源輸出、人民元操作あたりが日本のマーケットにも直接的に影響してきそうです。

あとは組閣人事を追っていくことで、それぞれの政策がどのように進むか、もう少しわかりやすくなるでしょう。

2017年は米国に振り回されやすい年になりそうなので、今年の年末からしっかり追っていきたいと思います。

 

なお、年内の株式市場はトランプフィーバーが落ち着くものの、政策期待と個別物色で、もう少し上昇が期待できそうです。その後、12月のFOMCを起点にピークを打ちそうです。

欲をかかない程度に、金融、国防、半導体あたりを中心に物色したいと思います。

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