米国利上げ後の注目テーマ

投稿者: | 2015年12月18日

予想通り、FRBが利上げをしました。多くを語る必要はないと思いますが、利上げ後に注意すべきことを挙げておきたいと思います。
 

1.新興国

 
8月のチャイナショックから立ち直り、変動為替レートの国は通貨安の恩恵で経常収支が安定してきています。一方、一部の産油国海外からの投資に頼っている国は経済が不安定化しているようです。タイバーツ危機の時のような脆弱性はないものの、歴史は繰り返すといいますので、各国の状況を注視する必要はありそうです。
 
 

2.ハイイールド債

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12月14日、指標となる高利回り社債の急落を受けて、投資家が考えるよりも米国経済は健全な状態ではないとの不安が広がっている。写真はニューヨーク証券取引所で8日撮影(2015年 ロイター/Lucas Jackson)

償還できる可能性が低い代わりに高利回りを提供していた、俗にいうジャンク債の価格が利上げに伴い下落を続けています。指標とされているHYG.Pは年初来から12%の下落です。
 
この債券の怖いところは、だれがどれだけ持っているか、はっきりわからないことです。信用格付けの低い債券の残高はすでにリーマンショック前を超えており、シェール関連とヘルスケア関連で30-40%を占めるといわれています。どちらもVCが大量の資金を投じている業界で赤字企業が多いことも特徴として挙げられます。
 
ジャンク債を含む一部ファンドの破たんも報告されており、リーマンショック前と似た様相を呈しています。年明けからホットな話題として幾度となく取り上げられることになりそうです。
 
 

3.米国債の残高

 
FRBはこれまでの金融緩和で国債からモーゲージまで、さまざまな債権を買い上げています。 その残高は540兆円相当ともいわれており、米国のGDP約2,000兆円に対しても大きな額となっています。 今後、金利が上がればこの500兆円以上の債権の価格が下がり含み損が発生することになります。
 
仮に国債が2%になれば500兆円の債権価格が3-5%は目減りすることが考えられるので、15-25兆円の損失になります。うかつに金利を上げると米国債がダメージを受けるというジレンマを抱えています。米国債の発行残高はすでに2,100兆円を超えており、この損失をどうやって回避していくかが今後の問題となりそうです。
 

4.原油価格

 
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2008年10年撮影(2015年 ロイター/Vivek Prakash)

利上げによる米ドル高と米国の原油在庫の増加で、原油安によるデフレ圧力が強くなりそうです。資源輸入国にとっては良い面もありますが、産油国の財政や経常収支が大幅に悪化すると世界経済に悪影響を与えそうです。
 
特に、ハイイールド債に組み込まれている産油会社がデフォルトとなると、一気に金融危機の不安が広がるので、リスクオフが過剰に起こる可能性があります。石油メジャーのように原油素材を利用した加工品を持っている会社の株は買いのチャンスになるかもしれません。
 
 
ざっくりとした不安材料を上げましたが、今回の利上げは米国経済の回復が本物であるという良いニュースでもあります。
年明けから2月くらいまでは米国株の買いを中心にポジションの調整を行う方針にするのが良さそうですね。

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