中国の通貨切り下げは米国との政策協調なのか?

投稿者: | 2015年8月13日

今回の中国の通貨切り下げについて、Market Hack広瀬さんのインヴァスト証券セミナーを見ながら考えてみました。

 

・中国元のおかれていた状況

中国政府は中国元が米ドルとペッグしているため、実力よりも割高だと考えていた。一方でSDRで日本より高い比率を得るために、景気対策の通貨切り下げを我慢していた。しかし、先日の発表で自由に利用できる通貨にならないとSDRには入れられないIMFが発表し、来年9月末までレビューを延期することを決めた。このとき、中国当局者は理解に苦しんだらしい。どうやら安定した強い通貨であればSDRに入れると勘違いしていたようだ。そのため、実力以上のペッグレートを維持し、SDRの発表を待っていた。

 

・中国がまだ勘違いしている場合

USD-CNY chartこの発表を受け、中国当局は方針を変更した。SDRに入れてもらうために、為替の変動性を上げる必要があると理解した中国政府当局者は、これを都合よく解釈して、人為的に元安操作をはじめた。一応、マーケットの価格決定能力に任せると発表しているが、変更後の方針として「中国元の対ドルレートは前日終値に対して決定する」とも言っている。相変わらず平気で矛盾したことを言うが、この理屈で今後も為替を操作するとなると前日終値に対して2%以内の切り下げでUSD/CNY=6.8を目指すと考えられる。これは、2010年の水準で、最初の切り下げに対して9%の中国元安となる。周辺国への影響を考えずにやっているとしたら、ただのアホではなかろうか?

 

・米国との口裏合わせがあった場合

政策協調の一環としての切り下げだったとすると、話は変わってくる。中国元ドルレートの目安は6.8に変わりなさそうだが、この場合米国の利上げはどのタイミングになるだろうか?
8月に中国元を切り下げて9月に景気回復、続いて米国利上げ、などと楽観的なシナリオはありえない。ましてや、この期間に重要指標の発表がないのでは確認しようもない。最低でも半年は様子を見たいところだが、米国も自国の事情がある。特に、今回の利上げは「間隔をあけてゆっくり行う」と何度も発表している。よってFRBのシナリオとしては、過去の急速な利上げに伴う投資資金の引き上げが起こらないと考えているかもしれない。この場合、中国の復調を確認せず、9月利上げを断行するかもしれない。

いずれにせよ、今週はSQもあり、アジアをはじめとした世界中の株価調整が始まってしまっているので、慎重な対応と多くのケースに備える必要がありそうだ。

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