ブラジルの政治・経済不振が極まってきた!

投稿者: | 2015年8月12日

ペトロブラスの汚職や高いインフレ率でブラジルの政治と経済はガタガタです。ここに米国の利上げが来ると、最初に詰みそうな国のトップ3にはいるのではないでしょうか。ブルームバーグではフラジャイル・ファイブの一角としてあげている国でもあります。非常に興味深いので、少し調べてみました。

1.ブラジルの経済状況

bloomberg記事からの抜粋になりますが、行き着くところまで行った感じです。

・インフレは9.25%で中央銀行の目標である4.5%の2倍

・2014年末から7回の利上げを実施し14.25%にしている。
 国の政策金利が日本のサラ金と同レベル!?

・2014年7-9月期からのリセッションで、2015年は-1.5%のマイナス成長になる。
 高金利と高インフレで経済活動は停滞し、税収は減少中。

これがスタグフレーションと言うやつですね。

景気が悪くて魅力のない通貨が、経済縮小で売られて購買力まで失うという経済崩壊経路をまっしぐらに進んでいるようすが見て取れます。紙幣の紙屑化が進んでいると言うことでしょうか。

 

2.ブラジルの産業

本来ブラジルは、鉱石が取れるため鉱業が強く、それに伴った重工業が盛んな国です。製造業は鉄鋼業を発展させた飛行機や自動車部品など重工業に強いイメージがあります。
輸出品目は

1位:一次産品(鉄鉱石、原油、大豆など) 46.8%
2位:工業製品(燃料油、航空機、自動車部品など) 37.4%
3位:半製品(粗糖、木材パルプ、鉄鋼半製品など) 13.6%

となっており、重工業の強さがうかがえます(財務省2012年データ)。ブラジルの粗鋼生産

一方、一次産品の比率が高いため、去年から続くコモディティの下落は、ブラジル経済を揺さぶることになります。粗鋼生産能力(右グラフ)を見ても、価格下落の最中も増産を進めているようです。ここで、工業製品の生産性向上と高付加価値化を進められれば、資源の豊富な工業国として経済大国への道が開けそうな気もするのですが。日本から見ればうらやましい国土を持っていると言えそうです。

 

3.立て直すには外資導入の法改正が必要

金融政策では万策尽きた感じがあります。金利の制御では通貨高とインフレを同時に起こすことは理論上無理でしょう。金利を上げて通貨が高くなると、景気が悪くなりインフレは縮小します。一方、金利を下げて景気を刺激すると、通貨が安くなりコストプッシュのインフレになります。インフレ退治の金利上昇に失敗し、通貨安と不景気が同時に来てしまったので仕切り直しが必要です。

現在、金融危機への経路の7くらいのところにいるみたいです。ここに国際の格下げでジャンク級になってしまうと、確実に長期投資資金は入りにくくなり、短期国債を高金利でまわす自転車操業に陥ります。こうなれば金融政策の利下げすらできなくなります。日本をはじめとする先進国が陥っているゼロ金利や量的金融緩和の逆バージョンですね。ブラジルのパターンは過去の国家財政破綻でよく見られたものです。

建て直しの一歩目は、金利を下げて景気を刺激し、政策で国内産業を育て、通貨安を競争力にした製造業の復興が必要になります。これは時間のかかる政策になるので難しそうですね。
特に、現政権は大型企業を国有化したり、投資に税金を掛けたりしているので通貨安な上、外貨が入りにくい状態です。政権を交代し、外資参入の規制緩和、国有企業の民営化等を勧めて少しでも早く製造業に競争力を持たせる必要がありそうです。

建て直しの順序はなかなか難しいですが、以下の感じでしょうか。

1.税制を改正して、外国の投資資金を入れやすくする。

2.大型国有企業の民営化により、市場から資金を調達し、税収の代わりとする。

3.金利を下げて景気を刺激し、政策で国内産業を育てる。通貨安を競争力に出来る産業の育成。

まあこれが出来るなら現在の有様にはなっていないので、無理でしょう。現実的には3からはじめて、政権交代を経て1と2を実行する感じでしょう。政権を交代し、外資参入の規制緩和、国有企業の民営化等を勧めて製造業の競争力を強化することが、実体経済の回復には必要です。

金融では手遅れ、政治も政権交代が必要になるとなれば、短期での回復は難しそうです。

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ブラジルの政治・経済不振が極まってきた!」への7件のフィードバック

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  4. うー

    ブラジルは貿易依存度が世界で一番低い内需型の国であることを忘れてるような。次はアメリカでその次は我が日本です。輸出産業なんて大したことないんです。ブラジルの悪性インフレの原因は、国内産業の生産性の低さです。そういう意味で官僚支配体制を打破して民営化や規制緩和も大事ですが、ブラジル国民がもう少し働き者にならないとだめですね。

    返信
    1. Yuji 投稿作成者

      輸出による収入依存度では確かにそうですね。
      日本のように内需型が大きくても、輸入しないと自国民の食糧を十分に賄えない国もあるので
      一概には言えないところもあると思います。

      アルゼンチンもそうですが、資源が豊富な国は政策的に内向きになりやすいイメージがあります。
      でも外国資本を受け入れたのだから、それなりに仕事をして欲しいと思うのも確かです。

      返信
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