マレーシア通貨危機の可能性について考える

投稿者: | 2015年8月18日

ジェトロやニッセイなどから、2014年から2015年に掛けてレポートが出されています。米国の利上げが近づくと1998年のアジア通貨危機のイメージがあるので話題になるのでしょうか?このレポートを参考に、マレーシアへの国際的なマネーフローによる投資のチャンスを考えてみたいと思います。

ニッセイ 斉藤氏

リンギ安進むマレーシア~原油安による経済への影響~

JETRO 熊谷氏

原油価格下落とマレーシア経済:もっともらしいが誤ったロジックが危機を引き起こす

 

1.人口ピラミッド

malaysia population 2015

国連統計より http://populationpyramid.net/ja/マレーシア/2015/

ピラミッドから分かるように、人口3000万人でボリュームゾーンが35歳以下となっている。同国はこれから10年以上続く労働人口の増加を利用して経済成長するために、国内の雇用を作って、労働参加率を高くしていく必要がある。
そのために、教育の充実が重要になりそうだ。十分な資金を使って高い教育を行うためにも、産業の高付加価値化が重要になる。

2.マレーシアの産業

マレーシアは産油国で石油、LNG、パーム油が輸出のトップ5に入っている。さらに、電化製品の輸出がトップに来るなど、産油国にして工業製品の輸出もあるという産業構造になっている。貿易相手国は輸出入共にシンガポール、中国、日本がトップ3となっている。

輸出

1位:電気製品

2位:パーム油

3位:化学製品

4位:原油・石油製品

5位:LNG

輸入

1位:電気製品

2位:製造機器

3位:化学製品

4位:輸送機器

5位:金属製品

となっており、石油と電気製品が主要な貿易アイテムとなっている。電気製品の比率が高いので、原油安では貿易面で黒字維持のためのバランサーになりそうだ。JETROのレポートにもあるように、原油が40ドルを割るとペトロナスの配当などが減り、経常赤字化するようだが、産業構造自体は多様性と柔軟性がある。

 

3.原油安をきっかけとした通貨危機の可能性

原油安に加え、中国元の切り下げが入り、リンギット安が一気に加速した。これに対しマレーシア当局はドル売り介入してきたが、外貨準備高が対外短期債務と同じところまで落ちてきたので、介入は限界に達したようだ。現在、政策金利は3.25%でインフレが2.7%となっているが、リンギット下落でインフレ悪化の可能性がある。GDP成長率が5%程度であることから、もはや利上げで対処できるレベルでもなさそうだ。

原油40ドルのラインが近づいたうえ、中国元の切り下げで電気製品の輸出競争力がそがれつつある。さらに悪いことに、輸出競争相手国かつ、輸出先でもある中国の需要減退が、リンギット安による競争力向上の効果を削いでしまう流れだ。

 ・原油下落に伴うリンギット安でインフレが悪化

・外需の減退で通貨安による輸出競争力の向上効果も望めない

 となると、政府が掲げている緊縮財政を変更する必要がでてきそうだ。しかし、すでに財政赤字を抱えているので、単独で財政出動するのは逆効果になる可能性もある。

 もし、この悪い流れで経常収支の赤字化が伝われば、投機筋によるリンギット売りが加速し、通貨危機まで到達する可能性がある。そうなると、短期的には株式市場の閉鎖もありうる。中長期的には、輸出できる産業があるので持ち直すだろう。IMFなどの介入が伝われば資金投入のタイミングかもしれない。

 

◆利上げの前に外貨準備を取り崩したのはまずかったのでは?

現状、金融危機への経路8にいると考えられます。マレーシアの場合は利上げより先に、為替介入を終えてしまいました。経路の2に対して、3-6を飛ばして7を実施した状態です。しかも、外貨準備高が対外短期債務と同額まできたので、これ以上は外貨準備を減らせません。仮に利上げを試みても、失敗した場合、景気減速と通貨安によるインフレがまとめて来て、スタグフレーションになる可能性がありそうです。

 

◆投資方法について

ネットで小額投資する方法を考えるとFxかETFでしょうか?多少資本があればCFDもよさそうです。検索ですぐに出てきたのはSBI証券IG証券でした。個人的にはETFでいきたいと思います。というか、すでにショートポジション持っています。これは様子見で、イベントが起こった後のロングが本命になります。8月14日に4-6月の経常収支が75億リンギに縮小と発表されたようです。今後も注目です。

1560 マレーシア株KLCI ETF

 

KLCI chart daily

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マレーシア通貨危機の可能性について考える」への2件のフィードバック

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