上海株式市場とミンスキーモーメント(2015年7月12日)

投稿者: | 2015年8月15日

1.ミンスキーモーメントの概要

ウィキペディアより

ミンスキーモーメントとは、投資家が投機によって生じた債務スパイラルによりキャッシュフロー問題を抱えるポイントである。

これだけゆるく定義されていると、なんにでも適用できそうですね。なお、ハイマン・ミンスキーの経済学(p.76)では、投機は「毎期のキャッシュ・フローが、利子の返済額よりも大きいが、元本を完全に返済するには不十分であると予想される」状態を言います。上海株式市場について、まとめてみました。

 

2.個人レベルのミンスキーモーメント

上海市場の例を、身近な金額で置き換えてみました。(数字は正確なものではありません)
ある個人が100万円を元手に株式投資をします。信用取引で500万円を借り入れました。レバレッジ5倍です。これで500万円分株を買います。しかし、政府の通達で借入可能額が300万円までに変更されました(4月17日)。このとき、500万円分のポジションを維持するために現金を入れるか、300万円分まで売らなければなりません。ここで、最初の売り圧力が発生します。

次に、ポジション金額を500万円から300万円に落とすために売却します。しかし、マーケット全体のレバレッジが下げられていると、買ってくれる人がいません。仕方なく安く売ります。これが株価下落のきっかけになります。ミンスキーモーメントのポイントに当たります。

資金供給がされているときは追加資金を入れて500万円のポジションを維持するため、株価は落ちません。しかし、今回のように個人の資金が尽きかけているところに信用倍率の制限をかけてしまうと、ミンスキーモーメントを政策で発生させたような形になります。

3.上海株式市場のミンスキーモーメント

4月から信用規制のコントロールが頻繁に入るようになります。レバレッジの抑制と空売り緩和で個人の信用残高を削っています。その後、6月にIPOが増えてきました。信用規制がかかっているところに、大型のIPOが資金を吸収することでインデックス系の値上がりにブレーキがかかりました。やりくりしていた個人も、値上がりが止まり、投入資金が尽きると身動きが取れなくなります。

0712 shanghai 6month chart上海株式市場ではミンスキーモーメントのポイントは6月15日だったようです。その後は、細かい戻りを入れながら3月以降の上げ幅をすべて消してしまいました。この間、失った時価総額が390兆円相当になるそうです。

7月8日のリバウンドも大口の株式売却禁止、50%売買停止、政府のインデックス買いを駆使して止めています。週明けどうするか?政府は4500ポイントまで買い上げると言っています。下落幅と時価総額、売買高を1/10で計算すると、必要資金は約13兆円です。そこまでたいした金額ではないですね!?仮にここまで戻ると、現金化したい人たちが取引再開を要求します。もし売られてしまえばまた下がってしまうので、何かしらの措置が必要です。どうやるのか、私には分かりませんが・・・。

 

4.犯人探しになると最悪

週末の記事で、犯人探しのニュースが入っています。もし、株価対策はすでに万全と考えていて、責任を取らせるスケープゴートを探しているのなら、今後のリバウンドはないに等しいでしょう。そうなれば、信用取引負債の清算のために、不動産売却などが発生し不動産市場などへ波及します。すでに、原油をはじめとするコモディティは下げており、影響は出始めています。早ければ7月末の決算を待たずに、次のパニックが発生するかもしれません。

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