世界トップ5に学ぶ観光業の収支バランス

投稿者: | 2015年8月8日

観光によるインバウンド消費が日本を支える新産業になると期待されています。

では、現在の世界トップ5(国際観光客到着数)はどのような収支になっているのでしょうか?

疑問に思ったので、大雑把な統計値をまとめてみました。

データのソースは主に、ウィキペディアの世界観光ランキング世界経済のネタ帳になります。

結論を先に書くと

財政収支としての儲けを考えるより、交流数を増やすことで

国際的なプレゼンス(存在感)を上げることが最終的な目標になる

と言う内容です。

 

1.国際観光客到着数

グラフより、フランスと中国を除く3カ国は毎年観光客到着数が伸びている。国別観光客数

中国だけはここ3年間で減少傾向にある。

政治的な軋轢と、PM2.5などの環境問題が影響しているのかもしれない。

この統計で特徴的なのは、9位までは順位に変動がないということだ。

一方で、10位以下の変動は激しく、ウクライナは政変のため14位から23位へ落ち込んでいる。

日本は毎年順位を伸ばし、2015年に1,800万人になればメキシコについで16位くらいになりそうだ。

 

2.国際観光収入

米国の強さが際立っている。各国の観光収入

収入だけで見ると5位のイタリアはマカオに負けている。

マカオはカジノで稼いでいるので、一人当りの支出が非常に大きくなっている。

意外だったのは、中国の収入がフランスよりも多いことだ。

来訪者数ではフランスの方が多いので、一人当りの支出で中国の方が勝っているようだ。

 

3.国際観光支出

中国の支出が米国を抜いてトップになっている。各国の観光支出

人数が多いこともあるが、富裕層の支出の大きさが効いているようだ。

中国国内の商品に対する不信感が強いうちは、この支出が減ることはなさそうだ。

 

4.国際観光収支

観光客到着数がトップのフランスが収支では4位になる。

各国の観光収支

フランスとしても収入源として頼っている様子もなく

美術や芸術に興味がある人を惹きつけている様子が伺える。

収支で観光大国と言えるのは米国で、上記3項目ですべて2位以上に入り、収支でもしっかりと黒字にしている

中国は存在感が大きいが、制御できているようには見えない。

国自体が発展途上にあるため、貿易で稼いだ分を観光で散財しているように見える。

国内の資源と人口をうまく使えば、収支の面でも世界のトップになる日は遠くなさそうだ。

 

5.国際観光収支の歳入比率

歳入比率は観光収支/歳入で算出した。各国の観光収支の歳入比率

この結果より、経済的に苦しいスペインやイタリアは比率が高く、財政立て直しのためには重要な位置を占めていると言えそうだ。

特にスペインは毎年比率が上がり15%に届く勢いになっている。

近年の緊縮財政で国家財政の収支が改善しているが、主な理由は観光客が戻ってきたためとも言えそうだ。

次の手としては、観光以外の産業を育て外貨を獲得できる体制を整える必要がある。

一方で、中国の観光による資本流出は歳入費で3%を超えるレベルになっており、無視できないレベルに近づきつつある。

原因は、国内商品への不信感もあるので、内政を立て直せれば自然と収入も増えるのではないか?

 

6.総括

まとめた結果、観光による国のプレゼンスは高めたほうが良いが、観光で稼ぐと言う発想は違う気がする。

フランスや米国のように、世界中の人々をひきつける魅力を国内に蓄え、自国からの観光も増やすことで国家間のつながりを強くし、人の交流を土台としておのおのの産業で稼ぐと言うのが目指す姿のようだ。

日本はまだ国内の魅力をアピールする段階なので、日本から世界中を旅して、何が各国の人々をひきつけるのかを良く学ぶ必要がありそうだ。

 

観光を収入源として頼ると外需依存型になる。さらに、政策的にビザのコントロールなどがあると

外国の政策によって自国経済が揺さぶられることになってしまう。

稼ぐのではなく、互恵関係による人の流動性の向上が観光政策の目的になりうる。

観光業の収入に頼るのではなく、観光を利用して人と情報の交流を発展させることが重要と言えそうだ。

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